ケチャップ旋風なるか!?進化するご当地ナポリタン

全国に広がるご当地ナポリタン

ナポリタンと言えばやはり喫茶店のナポリタン。
数年前まで月末日曜日に荻窪に行く用事がありまして、その後は先輩と居酒屋で将棋をしながら一杯というのが定番コースだったのですが、駅前のビルの地下にある喫茶店がすごく混んでいたのが印象的でした。

「この居酒屋はガラガラなのに隣の喫茶店はいつも混んでてすごいですよね」
「たぶんタバコ吸えるのが大きいんだと思うけど、ここのナポリタンとハヤシライスが美味いんだよ」
「ああ、ナポリタン食べたいですね。今日は喫茶店で一杯にしましょうよ」
「いや、禁煙中なのでダメだ」

という会話をしたのを思い出します。普通の喫茶店のナポリタンだと思います。具はたまねぎ、ウインナー、ピーマンくらいで、とにかくケチャップがよく絡んだ、太めのスパゲッティです。昔ながらの味、格好つけていない感じがちょうどいいんです。

そんなナポリタンですが、全国にはご当地グルメとして特徴があるナポリタンもあるみたいです。
今回はご当地ナポリタンのお話です。

ナポリタンの発祥は横浜。

ナポリタンはナポリではなく日本発祥の洋食です。発祥は横浜のホテルで、終戦後に進駐軍がケチャップを混ぜただけのパスタを食べていて、それを見かねたホテルのシェフが、ハムやマッシュルーム、玉ねぎなどの具材でトマトソースベースのパスタを提供し、これがナポリタンの起源とされています。
1955年には、スパゲッティを売り出すために簡単なレシピとしてケチャップで炒める「ナポリタン」が紹介され、一気に全国に広がったとされています。

ちなみに、ケチャップ自体は明治時代には国内製造されており、1930年前後にはすでに一般家庭向けにケチャップも販売されていたようです。ただし、うどん、そばやパスタなどの麺類に関しては外食では食べるものの、家庭料理として普及するのは戦後になってからのようなので、例えば「家で焼きそばを作っていて、ソースがなかったからケチャップをかけたのがナポリタンの起源」というような話はなさそうです。
(最初はもしかして異説あるかも、、と思ってケチャップと麺類の歴史を調べちゃいました。。かろうじて「うどん」は家庭でも作られていたようですが、まだ焼きうどん等は誕生しておらず、ナポリタンにつながるような話はなさそうでした。そのうち明治大正あたりの家庭料理を特集したいですね。)

いずれにしても戦後には気軽に作れる洋食料理として普及したナポリタン。給食や、週末のお昼にナポリタンをよく食べたという人は多かったのではないでしょうか。

無性に食べたくなる昔懐かしのご当地ナポリタン

そんなナポリタンですが、近年は昭和レトロ、B級グルメ、ソウルフード、ご当地グルメとして脚光を浴びています。

関東のご当地ナポリタンとして有名なのは八王子ナポリタンと大宮ナポリタン。
八王子ナポリタンは2014年。対して大宮ナポリタンは2016年に発表されており、ほぼ同時期のご当地ナポリタンといえます。
八王子ナポリタンは「刻み玉ねぎ多め」という特徴がありますが、基本的にはどちらもオーソドックスな喫茶店のナポリタンと言えます。

よく言えば「昔懐かしい味」。悪く言えば「普通の味」ともいえるのですが、それがナポリタンというものです。時々無性に食べたくなるような「普通のナポリタン」がいいのです。

様々なカタチに進化するご当地ナポリタン

その地元ではそれが普通なのでしょうが、知らない人なら珍しいご当地ナポリタンもあります。
名古屋めしとしても有名な「鉄板ナポリタン」は溶き卵と絡めて食べるナポリタンで、半生状態で絡めるか、少し待って絡めるかで味わいが変わります。
また、つけ麺風にいただく「富士つけナポリタン」は静岡県富士市のご当地グルメとしても人気で、一度は食べてみたいご当地ナポリタンです。

以下、ご当地ナポリタンのリストです。

地域ご当地ナポリタン
北海道/秩父別ちっぷべつ緑のナポリタン
ブロッコリーのパウダーを練り込んだ平打ち麺が特徴的な緑のナポリタン。
見た目はもはやナポリタンではない・・いや、これもまたナポリタンです!
宮城/仙台コペリタン
仙台駅の新名物。コッペパンにナポリタンと一口大のハンバーグを挟んだ「ナポリタンドッグ」です。お店の看板メニューのハンバーグナポリタンも人気です。
埼玉/大宮大宮ナポリタン
老舗から変わり種まで。ナポリタン好きなら大宮でナポリタン巡りをするのも悪くありません。1日3食、いや4食の大宮ナポリタン弾丸ツアーを決行しましょう。
東京/八王子八王子ナポリタン / 八王子ナポリタンクレープ
八王子ラーメンを彷彿とさせる「刻み玉ねぎたっぷり」が特徴的な八王子ナポリタン。なんとクレープのナポリタンもあるようで話題になっています。
神奈川/横浜ナポリタン焼きそば
ナポリタン発祥の地、横浜の新たな名物として誕生したナポリタン焼きそば。
実は家庭で「ソース切れてたからケチャップ焼きそば」という経験がある人は多いはず?
相性抜群の焼きそば麺とケチャップソースをご堪能ください。
富山/氷見ナポらー麺
富山ブラックに次ぐ新たなご当地ラーメン、否、ご当地ナポリタンと話題のナポらー麺。
氷見産のいわし出汁がしっかり効いていて、〆のリゾットまでナポリタンを堪能できます。
静岡/富士富士つけナポリタン
つけ麺のナポリタン版といえばわかりやすいですが、お店によってスープの違いはもちろん、中華麺やパスタなどあるので好みの「つけナポリタン」を探しましょう!
愛知/名古屋鉄板ナポリタン
鉄板の上にナポリタンを盛り付け、その縁に溶き卵を流し込んだ豪華なナポリタン。
最初は半生で、食べ進めると徐々に固まる卵とナポリタンの味と食感の変化も楽しめます。
店によって「鉄板イタリアン」「鉄板スパゲッティ」とも呼ばれるみたいです。
愛媛/西条西条てっぱんナポリタン
熱々鉄板のナポリタン。名古屋の鉄板ナポリタンと同じように溶き卵を流し込むスタイルや生卵を乗せるスタイル、目玉焼きをスタイルなど店によって様々です。
長崎ちゃぽりたん
長崎新名物として話題のケチャップソースのちゃんぽんです。ちゃんぽん麺とケチャップの相性は◎です。逆にちゃんぽんの具とタレで作る和風パスタも美味しそうな気も・・。

今後のご当地ナポリタンは??

長崎名物の「ちゃぽりたん」のように、「名物+ナポリタン」というのはどの地域でも可能性があります。
そんな中、今後でてくるご当地グルメとして期待したいのはやはり、、「ナポリタンたこ焼き」です。
そのままナポリタンを具にしたたこ焼きはそのままで美味しさが想像できます。ケチャップ味がたまらないたこ焼きです。

以上。ご当地ナポリタンのお話でした。
そういえばガリガリくんのナポリタン味が出ていましたね。あれはあれでナイスなナポリタン味でした。