【祝い飯1】地域で違う?ご当地ハレ食百選!
おうちのハレ食、祝い飯はなんですか?
お正月のおせち料理はもちろんですが、ちょっとしたお祝いの日に作るご馳走は地域によってさまざまな特色があります。「うちの家はお祝いの時はすき焼きだった」という感じで家庭ごとの違いもあれば、地域によってはお祝い事には〇〇という共通の料理がある場合もあるでしょう。こうしたお祝いの席の料理はいわゆる「ハレの日に食べる料理」として「ハレ食」と呼ばれ、郷土料理などと共に受け継がれてきたようです。
このハレ食ですが、昔はハレ食としてよく食べられていたものが、近年は日常食になったり、食文化が変わり冠婚葬祭以外では作られなくなった郷土料理も多くあります。
今回はご当地ハレ食がテーマです。
日本三大ハレ食は赤飯・ばら寿司・鯛料理
全国各地のハレ食を見ていると、基本的には「赤飯」「ばらずし」「鯛料理」の3つが人気のようですが、もちろんそれ以外のハレ食も多くあります。
地域によって呼び名が違うものや、独自性があるハレ食もあるようですが、ハレ食となる要素を考えると以下の3つをあげることができます。
■ハレ食の要素
NO | ハレ食の要素 | 概要 |
---|---|---|
1 | 鮮やかに彩る | 見た目に鮮やかさを持たせて特別な日を祝う |
2 | 手間をかける | 調理や準備に時間と労力をかけて特別な日を祝う |
3 | 食材にこだわる | 縁起モノや高価な食材を使用して特別な日を祝う |
結局は日常ではない「ハレの日」の特別な料理ということで、普段(ハレの日に対してケの日というらしいです)よりこだわった料理という点では共通していると言えます。
ご当地ハレ食百選 225/47 ※20240626
以下、ご当地ハレ食のリストです。
※赤飯、バラずし、鯛の塩焼き、紅白饅頭、ぼた餅など、一般的なハレ食は割愛し、地域に特化した郷土料理となっているものを選別しています。
※がめ煮など、現代ではハレ食というより日常食に移行しているものも一部掲載しています。(地域や家庭によっては今もハレ食のはず・・)
※おせち料理等、特定の行事だけで使われるものは割愛しました。
NO | 地域 | ご当地ハレ食 |
1 | 北海道 | 赤飯(甘納豆入り) 飯寿し 美唄のとりめし 美唄やきとり |
2 | 青森 | いかの寿司 べこもち けいらん いちご煮 ごまご飯 |
3 | 岩手 | 味ぶかし まめぶ汁 きりせんしょ 小豆ばっとう |
4 | 宮城 | 仙台雑煮 エビ餅 はっと汁 ふすべ餅 |
5 | 秋田 | てんこ小豆の赤飯 なすの花ずし 赤ずし(赤漬け) いものこ汁 卵寒天 豆腐カステラ 鯉の甘煮 かすべ煮 |
6 | 山形 | 塩引きずし 卵寒天 からかい煮 鱒のあんかけ |
7 | 福島 | こづゆ 鯉のあらい 鯉の甘露煮 おひら はっとう |
8 | 茨城 | すだれ麩のごま酢和え がりがりなます いもがらの五目煮 煮合い こも豆腐 はまぐりごはん さしみこんにゃく |
9 | 栃木 | 五目飯 鮎めし 煮しめ |
10 | 群馬 | 豆腐めし こんにゃくの白和え ざく煮 |
11 | 埼玉 | いがまんじゅう かてめし 聖天ずし くわいの含め煮 |
12 | 千葉 | 太巻ずし 重箱入りぼたもち ヤンゴメ 鶏雑炊 |
13 | 東京 | にぎりずし 島ずし こはだの粟づけ |
14 | 神奈川 | かて飯 小田原かまぼこ 酒まんじゅう 牛鍋 |
15 | 新潟 | しょうゆおこわ 笹寿司 のっぺ |
16 | 富山 | おせずし 昆布〆 ます寿司 みょうが寿し |
17 | 石川 | 五色生菓子 鯛の唐蒸し 押しずし 大根ずし ひねずし |
18 | 福井 | なれずし 葉っぱずし(マス寿司) ほうばめし ぼっかけ |
19 | 山梨 | 甘納豆のお赤飯 みみ 小豆ほうとう |
20 | 長野 | 笹ずし いもなます 天寄せ 半ごろし おやき |
21 | 岐阜 | こも豆腐 もろこずし |
22 | 静岡 | 染飯(そめいい) 鯖の箱寿司 げんなり寿司 ぼくめし 金目の姿煮 |
23 | 愛知 | 黄いないおこわ かきまわし 箱ずし もろこずし |
24 | 三重 | こけらずし さんま姿ずし さめなます かきまぜ |
25 | 滋賀 | ふなずし じゅんじゅん 赤こんにゃく煮 鯛そうめん 鯖そうめん ひとかわすし |
26 | 京都 | ばらずし さばずし おはぎ 納豆餅 |
27 | 大阪 | ばらずし 大阪寿司 蓮根餅 |
28 | 兵庫 | 鯖寿司 こけらずし じゃぶ |
29 | 奈良 | 柿の葉寿司 かしわのすき焼き さんま寿司 蛸もみうり 鮎寿司 エイの煮こごり |
30 | 和歌山 | さんまずし 柿の葉寿司 こけら寿司 かきまぶり |
31 | 鳥取 | 柿の葉寿司 とうふちくわ こも豆腐 |
32 | 島根 | 角ずし 柿なます スズキの奉書焼き |
33 | 岡山 | まつりずし ママカリの酢漬け 蒜山おこわ 黒豆入りちらしずし ままかりずし |
34 | 広島 | ワニの刺身 八寸 もぶり 鯛そうめん 角寿司 |
35 | 山口 | いとこ煮 岩国寿司 大平 はすのさんばい 柏椀 うの花きずし |
36 | 徳島 | 祖谷そば 出世いも 押し寿司 金時豆入りばら寿司 うちがえ雑煮 島そうめん |
37 | 香川 | ばらずし いもたこ 手打ちうどん かきまぜ こんにゃくの白あえ こんにゃくのはちはい 鯛そうめん |
38 | 愛媛 | 鯛めし いずみや 鯛そうめん ふくめん 松山鮓 しょうゆめし みかんずし |
39 | 高知 | 皿鉢料理 こけらずし こぶずし 銀ぶろうずし 蒸し鯛 田舎ずし さばの姿ずし |
40 | 福岡 | がめ煮 かしわめし とうへい鍋 |
41 | 佐賀 | つがにめし ふなんこぐい いかのかけ和え 須古ずし だぶ がめ煮 |
42 | 長崎 | 大村寿司 にごみ いりやき ぬっぺ もろぶた寿司 アルマド |
43 | 熊本 | まぜ飯 南関あげ巻き寿司 つぼん汁 このしろの姿寿司 馬刺し 鯛そうめん 太平燕 |
44 | 大分 | あじの丸ずし 頭料理 くじゃく 鯛麺 物相ずし 黄飯 黄飯かやく 鶏めし ひゅうが丼 |
45 | 宮崎 | 煮しめ 魚ずし 菜豆腐 とりめし 地鶏の味噌ころばかし |
46 | 鹿児島 | 鶏飯 さつま汁 油ゾーメン さつますもじ 酒ずし |
47 | 沖縄 | ソーキ汁 ミヌダル 中身汁 クーブイリチー イナムドゥチ クファジューシー ターンムディンガク ヒージャー汁 |
今後のご当地ハレ食について
各地のご当地ハレ食を見ると、やはり大皿料理が多いです。 多様な洋食が日常で食される現代を考えると、すでに家庭に浸透している「パエリア」などの海外の大皿料理は今後の「ハレ食」として定着する可能性もあります。(地域でご当地パエリアが誕生する方が先かも) また、すでに全国区といえる「たこ焼きパーティー」「餃子パーティー」などはある種のハレ食(B級ハレ食?)とも言えます。
まずそれぞれの家庭で独自のハレ食が定着し、それが注目されて地域のご当地ハレ食になる。そんな流れに期待したいですね。
なお、今回各地のご当地ハレ食の調査をして気になったのは「鯛そうめん」です。 そうめんの上にまるごと鯛を乗せる大皿料理は西日本の郷土料理として各地に存在するようですが、その地域でなければ「見たことがない」という人も多いことでしょう。 類似としては大分県の「鯛麺」。こちらはうどんの上に鯛を乗せているようです。 (香川県は鯛そうめんなんですが、うどん県としてそれでいいのか?と思ったりもします。)
鯛そうめんの見た目は豪華でまさに「ハレ食」ですが、「鯛はみんなでつつくのか」「家長が取り分ける」などのルールがあるのか気になります。
この辺については次回以降で特集できればと考えております。
以上となります。 ご当地ハレ食。気になったハレ食があれば今度の休日に作ってみてはいかがでしょうか?