【考察】たこ焼きはなぜ丸いのか?
たこ焼きの起源とされるラヂオ焼きが既に丸かった!?
たこ焼きの起源はラヂオ焼きのタコ入りバージョンと言われています。
「明石焼きにはタコが入っている」と聞きつけたラヂオ焼き屋の店主がタコを具にしたラヂオ焼きを作って売り出したのが起源。もともとラヂオ焼きの具には牛すじ肉やこんにゃくを入れていたようで、タコ入りバージョンは別名にしたために「たこ焼き」となったと言われています。
そもそもラヂオ焼きの時点で現在のたこ焼きと同じような丸い形状だったと言われています。そうなると気になるのが「なぜ丸いのか」ということ。
お好み焼きの原型である「ちょぼ焼き」のように鉄板で作れるものではなく、わざわざ丸く窪みを入れたたこ焼き専用の鉄板を作ったのはなぜなのか。
今回は「たこ焼きはなぜ丸いのか?」について調査してみました。
ラヂオ焼き、、より前からあった明石焼きの起源について
ラヂオ焼きがなぜ丸いのかをWEB上で検索してみましたが、明確な答えは発見できませんでした。
ただ明石焼きが丸い理由については以下のような答えが見つかりました。
■明石焼きの起源
・兵庫県明石では江戸末期から明治期にかけて、模造珊瑚である「明石玉」が製造されていた。
・明石玉は硝石等の粉末を卵白等で固めた丸い玉で、珊瑚の変わりにかんざし等で使用されていた。
・明石玉を作る際に卵白を使うので、黄身だけが大量に残った。
・黄身を廃棄するのはもったいないということで、明石だこを具にした明石焼きが誕生。
・明石焼きも明石玉の金型を使って焼いたために丸い形状となった。
おそらく明石玉の余った材料で作るので、「形も明石玉みたいにしよう」という遊び心で金型を使って焼いたのが起源なのでしょう。その後、明石玉の産業はセルロイドやプラスチックが登場して衰退したとされています。閉鎖した工場に残った銅板の金型は明石焼き用に使おう・・となり、明石焼きが残ったという流れが考えられます。
1点気になるのは明石玉のサイズです。明石玉はいわゆる「ビー玉」くらいのサイズで現在の明石焼きのサイズよりはだいぶ小さいので、そのまま金型と使ったというのはちょっと違うような気もしますね。もしかすると当初の明石焼きのサイズは小さかったのか、小さすぎるので明石焼き用に大きなくぼみの金型を作ったとかそういう流れがあるのかもしれません。
【考察】ラヂオ焼の起源について
既に江戸末期には存在していたとされる明石焼き。その後大正時代にラヂオ焼きが誕生したとされていますが、なぜラヂオ焼きが丸い形状かという具体的な記述は見つかりません。
ただ、既に明治時代には今川焼きや、たい焼きなどは存在していて、金型に生地を流し込んで焼くというスタイルは確立されていたようです。
その辺を踏まえると下記のような考察が考えられます。
■考察:ラヂオ焼きが誕生した流れ(※あくまで妄想です)
・ちょぼ焼きがだいぶ流行ってきたので、そろそろ差別化を図りたいな。
・明石焼きみたいに丸くするのはいいかも。テイクアウトにちょうどいいね。
・予算的にタコは入れられないな。黄身、、卵も高いな。
・小麦粉ベースで具はすじ肉とこんにゃくでいいよ。
・商品名は、、巷で流行っている「ラヂオ」を使おう!
その後、ラヂオ焼きを提供していたところ、お客さんに「明石焼きにはタコが入っている」と言われて、タコ入りバージョンの「たこ焼き」が誕生、、という流れのようです。
明石玉の金型である銅板を使用した明石焼きに対して、鉄板を使用したラヂオ焼きなので、もしかすると明石玉ではない別の商品で使っていた金型の可能性も考えられますが、おそらくは明石焼きからヒントを得て類似の金型を作ったのではないかと想像します。
ちなみにラヂオ焼きの当初の形状は四角だったという説もあるようです。じゃあなぜ丸くなったのか。。
その場合もやはり「他店との差別化」でしょう。「四角じゃちょぼ焼きと変わらないので、明石焼きの金型を使って丸くしよう」という流れがあったのだと考えられます。
【結論】たこ焼きが丸いのは明石焼きの影響だった!
結局のところ、たこ焼きがなぜ丸いのかというと、明石焼きが丸かったからだということなのでしょう。
その後、全国各地に広まったたこ焼きは、タコ以外の具材にしても「たこ焼き(エビ)」という感じで名称はたこ焼きのままなのが面白いですね。
なぜかラヂオ焼きの名前が全国に広まっていないのはラヂオからテレビへと時代が変わって行ったためなのかもしれません。(適当)
以上となります。
明石焼きとラヂオ焼き、食べたことがない人は一度作ってみるのもいいかもしれません。